【緊急取材・後編】「辞めたら二度と乗らせない」——個人事業主を縛り付ける軽貨物業界のグレーな実態
前回の「緊急取材」には、実は知られざる続きがありました。 取材を進める中で、ある協力者から「友人が安い単価で叩かれているうえ、『辞めたら二度と軽貨物に乗れないようにしてやる』と脅されている。すごく良い奴で仕事もできるし、この仕事が大好きなんだ。一度話を聞いてやってほしい」と相談を受けたのです。 さっそく連絡を取ってもらい、某日の仕事終わりに待ち合わせをして話を聞くことができました。仮に彼の名前を Fくん とします。 事務用品配送を支えるFくんの告白 編集部(以下、編): お忙しいところありがとうございます。早速ですが、現在の主な業務内容を教えていただけますか? Fくん(以下、F): 主に事務用品の配送を担当しています。この仕事自体は自分に合っていて、やりがいも感じています。 編: 今回、トラブルになった経緯を教えてください。 F: 同じ配送業務を行っている別の会社が新しく参入してきたんです。そこで、自ら希望してその新しい会社へ転籍しようと考えました。 編: 転籍を考えた一番の理由は何だったのでしょうか? F: 単価が1日あたり2,000円高かったこと、そして何よりドライバーを「一人の人間」として大切に扱ってくれそうだと感じたからです。 義理を通した末の「プレッシャー」 編: 円満に移行しようとされたのですね。 F: はい。筋を通すために元いた会社へ退職の意向を伝え、2ヶ月後に転籍できるよう義理を立てて準備を進めていました。 しかし、その報告をした際、会社の社長からこう言われたんです。 「辞めるのはお前の自由だけど、もし辞めたら(この地域・この現場で)二度と軽貨物の仕事はさせないからな」 F: 自分が愛着を持っている配送現場だったこともあり、そこでの仕事が二度とできなくなる恐怖から、結局は転籍を断念せざるを得なくなりました……。 編: 競業避止義務などの契約書や誓約書は交わされていたのですか? F: 一切ありません。完全に口頭でのプレッシャーです。 【取材を終えて】「業務委託」の名を借りた拘束 Fくんは「個人事業主(業務委託)」として契約しています。しかし実態を聞くと、相手(会社側)の都合の良いように縛り付けられている姿が浮かび上がってきます。 毎週〇曜日は強制参加の朝礼がある 勤務時間が一定以上拘束されている 自分の意に沿わない動きを...